明国時代の末期、陳延益氏が金門島から澎湖島に渡り、現在の大池村に上陸しました。竹湾で漁業に従事していた陳氏は、家族が次第に増え、竹湾付近の二崁に定住しました。

清国道光年間(1821年～1850年)には一つの集落へと発展しましたが、日本統治時代以降は伝統的な生活だけでは生計を立てられず、多くの若者は台湾へ出稼ぎに行くようになり、集落は次第に没落していきました。

1910年、澎湖から台南へ移住し漢方薬で財をなした陳嶺・陳邦兄弟が故郷に錦を飾るべくこの地へ戻り、古い家屋を修繕しました。この豪華な建物が「陳家古厝」として国家三級古蹟に認定され、二崁古厝の代表的な建物となっています。

当時、この老家屋を修繕した大工は29歳前後の若者でした。陳家の建築を細かく観察すると、その傑出したアイデアを見ることができます。色づかいが大胆なだけでなく、木刻やタイル、石刻も優雅で躍動感溢れるデザインとなっています。間取りはプライバシーを守れる設計となっており、伝統的な建物に安全性が取り入れられ、中華と西洋のスタイルを折衷した代表的な建築物です。